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ウマ娘とは?
プレイレポートの前に、まずはウマ娘というコンテンツの概要からお話します。
ウマ娘は、日本のゲーム会社である「株式会社Cygames」が開発・運営するスマートフォン向けゲームアプリです。
有名競走馬を“擬人化”した育成シミュレーションゲームで、2020年2月21日に正式リリースされました。
“ウマ”とあるように、本作は競馬……厳密には競走馬を題材にしたゲームです。主に1980~2000年頃に活躍した競走馬が登場しており、1人ひとり史実(実際に起きた歴史)にもとづいたストーリー、あるいは“幸福のIFストーリー”が用意されています。
▲実際の育成画面
プレイヤーは「トレセン学園」の「トレーナー」となり、それぞれ夢を抱えるウマ娘を指導。ウマ娘には育成におけるクリア目標が設定されています。
2020年7月現在に実装されている育成シナリオでは、「トゥインクル・シリーズ」と呼ばれるスポーツエンタテインメントにおいて、最大の大舞台「URAファイナルズ」を優勝するのが目標です。
育成ウマ娘は「殿堂入り」し、後述する対人・チームコンテンツで使えるようになります。つまりプレイヤーの目的は、「強い=速いウマ娘」をたくさん育て、世界一のウマ娘チームをつくりあげること。
“ポケモン”などの対戦育成ゲームと、本質は変わりません。
なお、競馬に対してネガティブなイメージをお持ちの方もいるでしょうが、ウマ娘にギャンブル的要素はありません。あくまでも「競馬ルールをベースにしたスポーツ」です。
近い競技でたとえるなら……陸上でしょうか。「よーいドン!」して1着になったら勝ちという、単純明快なルールです。
いずれにせよ「全年齢対象」のタイトルなので、小さな子どもがプレイしても問題ありません。
サービス開始からプレイ中!筆者が感じたウマ娘の「ココがすごい」
▲メジロマックイーンとゴールドシップ
有名な日本刀が美男子になる「刀剣乱舞シリーズ」、海軍の艦艇が美少女化した「艦隊これくしょんシリーズ」など、これまでも“擬人化ゲーム”は多数リリースされてきました。
しかし、ウマ娘はあらゆる面で別格です。TwitterなどのSNSにおいても、ガチャ更新やイベント開催のたびにトレンド入りするほど、話題を集めています。
筆者はサービス開始からプレイしていますが、スマホゲーム史における歴史的瞬間に立ち会っている気がしてなりません。
あらためて、ウマ娘の何がすごいのか、プレイレポートも交えてお話します。
1.ウマ娘効果で親会社の業績・株価がすごい
ゲーム内容の前に、まずはリアルなお話から。ゲームの「すごさ」を伝えるには、売り上げを持ち出すのが鉄則です。
開発元である株式会社Cygamesは、大手インターネット広告代理店「株式会社サイバーエージェント」の連結子会社。つまり、「アメブロ」や「Abema TV」でお馴染みのサイバーエージェントが、Cygames社の親会社となります。
ウマ娘はリリース開始から2ヶ月間で、500万ダウンロードを突破。モバイルゲームのセールスを調査する「Sensor Tower」社によると、2021年4月における売り上げ(月商)は、約140億円とのことです。
同月に関して、セールスランキングは全世界3位を記録。しかもウマ娘はリリース時点、日本国内でしか配信されていません。
月商140億円は、日本国内だけの売り上げなのです。スマホゲームに詳しい方はわかるかもしれませんが、この数字は異常でしょう。
それにともない、親会社であるサイバーエージェント社の2Q(第2四半期決算)がすさまじい数字に。株式時価総額においては、同社初の1兆円を突破しました。ウマ娘が親会社、そしてCygames社にもたらした恩恵は、莫大なものです。
2.ウマ娘同士の関係性を丁寧に描いているのがすごい
▲上:メジロマックイーン 下:ゴールドシップ
ウマ娘には、1人ひとり史実にもとづいたキャラクターストーリーが用意されています。その再現度の高さ……競馬ファンには夢のような、キャラクター同士の絡みが魅力です。
たとえば、画像上側は「メジロマックイーン」、画像下は「ゴールドシップ」というウマ娘です。いずれも実際にいた競走馬であり、ゴールドシップにおいては、引退後も元気な姿をみせています。
気になる2人の関係性ですが、史実におけるメジロマックイーンは、ゴールドシップの「祖父」にあたります。つまりゴールドシップは、メジロマックイーンの「孫」なのです。
おじいちゃんと孫がウマ娘となり、「トレセン学園」の同級生となる……なんとも驚きのIFストーリーですが、その“ありえない絡み”が競馬ファンの心をくすぐりました。
ほかにも現役時代のライバルだったり、兄弟だったりするウマ娘はたくさんいます。「なぜこの娘たちは仲がいいだろう?」と史実を探っていくと、実は親子だった……なんてこともあるのです。
3.“悲運の名馬”を救ったIFストーリーがすごい
▲ライスシャワー
“ブラッドレース(血統)”と呼ばれる競馬の史実を、一切知らなくても楽しめるのがウマ娘の特徴。むしろ史実を知らない方が、ウマ娘を楽しめることだってあります。
1989~1995年にかけて活躍した競走馬に、「ライスシャワー」がいます。小柄ながら美しい漆黒の名馬は、ウマ娘においても絶大な人気を誇るキャラクターです。
▲ライスシャワー
一方、史実のライスシャワーは、レース中に命を落としています。それゆえに競馬ファンからは “悲運の名馬”と呼ばれていました。同じくレース中に故障し、命を落としたり引退したりした名馬はたくさんいるのです。
ウマ娘では、そんな名馬たちの“幸せのIFストーリー”を丁寧に描いています。決して強引に、ハッピーエンド風にまとめているわけではありません。
史実に沿いながらも、「こうあって欲しかった」という願いをキャラクターストーリーで綴っています。
4.レース中のスピード感とカメラアングルがすごい
▲スタート前
言葉で伝えるのは難しいですが、レース中の疾走感と躍動感、そして縦横無尽に動くカメラアングルには、心底驚かされたものです。
レース中のカットを数枚用意したので、まずはこちらをご覧ください。
▲スタート直後のアングル
▲レース正面からのアングル
▲後方からのアングル
▲最終コーナー前の坂を登るアングル
▲ゴール前で2人が競り合っているアングル
本物の競馬よりもカメラアングルが豊富で、様々なカットからキャラクターを魅せます。ウマ娘は最高速度60~70kmまで出せる設定なのですが、本当にその速度が出ているかのような、スピード感の演出に成功しているのです。
しかも、顔の表情まで細かく動きます。ほかのウマ娘にけん制されると嫌がったり、スタミナ切れを起こしたときは、苦しい表情になったり……職人レベルのこだわりに、Cygames社の本気度がうかがえます。
レース映像に関しては、実際にプレイするか動画投稿サイトでぜひ確認を。ウマ娘の公式Youtbeチャンネルである「ぱかチューブっ!」などで閲覧できます。
5.レース後の「ウイニングライブ」がすごい
初めてウマ娘の「ウイニングライブ」を鑑賞したとき、「スマホゲームもここまで来たか……」と感動しました。「なぜレース後にライブなの……?」という細かい話はさておき、ウイニングライブの歌やダンス、細かい仕草が実に素晴らしいです。
たとえば、本作のメインソングである「うまぴょい伝説」は、2020年7月現在実装されている全ウマ娘の歌唱が用意されています。
▲ライブシアター
ウイニングライブは育成中のレース後、またはホーム画面の「ライブシアター」から鑑賞できます。上記画像はライブシアターで、まずはメインの3人を決めます。基本的にセンターがメインパートを歌う仕組みです。
▲ライブシアター
メインの3人に加え、バックダンサーのキャラクターと衣装を設定可能です。「おまかせ編成」も可能ですが、せっかくなら“推し”で固めたいところですね。
なお、ウマ娘は「DMM版(PC版)」もリリースされているため、大画面でウイニングライブを鑑賞できます。
6.【ゲーム×アニメ×漫画×動画×音楽】メディアミックスがすごい
ウマ娘はもともと、2016年に発表されたCygames社の新プロジェクト(IP)でした。実は、プロジェクト発表から約3年かけて、ゲームそのものを作り直しています。
理由は定かではありませんが、ゲームクオリティのブラッシュアップが必要と判断したのでしょう。
その3年間、決して音沙汰がなかったわけではありません。Cygames社ならではの「メディアミックスコンテンツ」として、2018年4月に全13話のアニメを放映。1期の主人公は“日本総大将”こと、スペシャルウィークでした。
さらには公式Youtubeチャンネルにて、自称広報担当のゴールドシップが様々な動画コンテンツに登場。正式リリースを迎える3年後まで、1人でウマ娘コンテンツを盛り上げていました。
2020年にはヤングジャンプコミックスにて、「オグリキャップ」が主人公の漫画「ウマ娘 シンデレラグレイ」が連載スタート。
そして2021年1月、全13のアニメ二期が放映開始となり、その途中でウマ娘のゲームアプリがリリースされた形です。
様々なコンテンツを織り交ぜ、相乗効果により宣伝・集客する手法をメディアミックスといいます。
ウマ娘の場合、ゲーム×アニメ×漫画×動画×音楽の5本柱でユーザーを獲得。それが結果的に、2021年7月現在で1,000万に迫るユーザー数獲得と、100億円オーバーという巨額の月商達成に繋がったのです。
ウマ娘 プリティーダービー
Cygames, Inc.無料posted withアプリーチ